跡継ぎ物語STORY
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小学校の卒業文集(将来の夢)で畳屋になると書いたことを今でも鮮明に覚えています。
私は高校卒業後、家業の畳店を継ごうと思い親に話した結果、
「すぐには継がせない」と一言。
社会で揉まれて来いとの事で、建築関係のパナホームに入社。資材部に配属されましたが一年で退社し、親に再度継ぎたいと申し込み了解を得ましたが条件が付きました。
畳職業訓練校への入学。
埼玉県さいたま市南区にある全寮制の訓練校へ三年間。布団と作業道具だけ持って入校しました。
朝八時から夕方五時までの手縫いの訓練、そして、何とも厳しい上下関係。日曜日以外外出禁止、当時は携帯電話もなく外との連絡手段はない、情報は休憩時間に見るテレビのみ。寝室にあるのは二段ベッドとロッカーのみでプライベート空間は一切無し。
しかし、「住めば都」とはよく言ったもので仲間も出来ると、辛くもあり楽しい三年の修行の日々を過ごすことができ、無事に卒業いたしました。その後、畳製作技能検定において金賞を受賞しました。
そして、一級畳技能士の資格を取得し、地元常総市に戻ってまいりました。
しかし、まだ継がせてもらえることはできませんでした。
「これからは、営業の時代だから営業を覚えてこい」との事で、つくば市にある住宅リフォームの営業会社に入社することになります。営業経験ゼロの私にとって、またもや厳しい環境が続きます。
最初は全く分かりませんでしたが、徐々に慣れてくると自信も付き約二年間営業の勉強をさせていただき、ついに家業を継ぐお許しが出たのでした。
そして、現在に至ります。
皆さんは、畳屋・畳職人と聞くと「頑固な職人」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は畳の専門家としてお客様の声に耳を傾け、より良い和の空間を提案させていただきます。
畳、和室の事でお悩み、お困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。